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指令『白線からはみ出すな!』
2001.10.24制作
使用ソフト:Adobe Illustrator 9.0J

§ 2001.10.24〜2001.11.5の扉絵 §
トビラエストーリー#5
指令『白線からはみ出すな!』
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 きょう、きゅうしょくを食べてる間に、地きゅうがなぞのうちゅう生物にせんきょされてしまいました。
 そのうちゅう生物は、じめんをつたってものすごいスピードでふえます。そして、人間にとりついて、どろどろにとかして、食べます。
 ぼくたちは、うちゅう生物を「どろどろん」と名づけました。

 「どろどろん」にも、ひとつだけじゃくてんがあります。
 しりたいですか。しりたい?
 ほな教えてってゆえ。
 ゆいましたか? ほな教えたる。ようきいてください。
 「どろどろん」は、「白」がきらいなんや。
 じめんに白いせんとか、すう字とか、かいてあるやろ。
 あれ、よけんねん。すっごいやろ。

 だからぼくたちは、白いせんの上しか歩くことができません。

 ほうかご、ぼくたちは校しゃを出ると、校門まで、体育で走るのにつかう白いせんの上をたどることにしました。校ていには「どろどろん」にとかされた人たちがいっぱいいました。みんなどろどろです。ぼくたちは足をふみはずさないように気をつけて校門までたどりつくと、花だんのしきりの白くぬ ってあるブロックの上をつたって、へいのすぐそとに引いてある白いせんにとびうつりました。ユウキがコケそうになって、とっさにアツシのランドセルにしがみついたので、アツシがわめきました。
「あかんて、あかんて!」
「どんくさいやつは、あっというまに『どろどろん』のえじきやで」
ぼくはユウキにちゅういしました。ユウキは目を大きくしてぶるぶるとうなづきました。

 道はくねくねまがったりわかれたり交わったり、のぼったりおりたり、広くなったりせまくなったりして、そのたびにぼくたちはとぎれたりとびとびになったりする白いせんをひっしでたどって行きました。すれちがう人たちはもうみんなどろどろにとかされているのに、自分ではちっとも気づいていません。じきに食われてしまうのに。こんなことでは、あと何じかんもしないうちに、地きゅう上にはぼくたち3人しかいなくなってしまいます。そうに決まってる。

「よう、ケンジ。何やってんだ?」
 曲がりかどのとぎれたせんをとびこえたとき、いきなり後ろから声がしました。ふりかえると、どろどろ人間が立っていました。前はとしょかんのシン兄さんだった人です。
「あかん、シン兄さんも食われてしもた」
「食われたって?」
この人もやっぱり、じぶんが「どろどろん」に食われてることにきづいてません。
「食われてるやないか、どろどろや」ぼくがゆうと、
「ああ、これか」シン兄さんだったどろどろ人間はじぶんの足もとを見て、わらってゆいました。「さっきまでどしゃ降りだっただろ、走ってきた車にひっかけられたんだ」
 *